クーペルはココのコンディションを確認してからフォーメーションを決定した。
結局ココの回復は間に合わず、ディフェンスはマテラッツィ=カンナヴァーロ=コ
ルドバのスリーバックに。中盤には第1戦で出場停止だったクリスティアーノ・ザネ
ッティが復帰し、当然ディ・ビアッジョとセンターでコンビを形成する。前線には
クレスポとレコバの2人を選択し、アフリカの猛者たち(マルティンスとカロン)は
ベンチで出場機会を待つことになった。
一方のミランでは、アンチェロッティ監督はディフェンスの前のゲームメーカー
にピルロを起用し、上がり目の位置にルイ・コスタ(第1戦のMVP)、両サイドにガ
ットゥーゾとセードルフを置いた。GKは負傷したジーダに代わってアッビアーティ
がゴールを守る。ディフェンスはこれまで通りで、右にコスタクルタ、左にカラー
ゼ、センターにネスタとマルディーニ。ツートップはシェフチェンコとインザーギ
がコンビを組む。
5月28日にマンチェスターで行われる決勝の切符を賭け、今シーズンの集大成とな
る“ユーロダービー”の第2戦がキックオフを迎えた。最初のボールを蹴ったのはメ
インスタンドから見て左から右に攻めるインテル。3分にはシェフチェンコが大きな
動きを見せる。カンナヴァーロと競って右サイドへ動き、シュートは弾かれてコー
ナーキックに。1本目はマテラッツィにクリアされて再びコーナーとなった。
7分にはトルドがゴール前を離れているのを見てピルロが遠距離から狙ったが、ボ
ールは大きく枠を外れた。8分にはディ・ビアッジョとガットゥーゾが激しくぶつか
り合う。ガットゥーゾは地面に倒れ込み、お互い何か言い合っていた。ミランのフ
リーキックから試合再開。13分にはインテルにチャンスが訪れる。マテラッツィの
ロングボールがミラン陣内を切り裂き、ボールを受けたクレスポが16メートルの距
離から右足でシュートを狙ったが、勢いのないボールは難なくアッビアーティにセ
ーブされた。
23分にはルイ・コスタからのハイボールをシェフチェンコがインザーギへと流
す。ゴール前に上がったボールにインザーギが突っ込んだが、トルドがボールを弾
き出した。トルドはこの際の衝突で軽い打撲を負った。その1分後にはマルディーニ
からシェフチェンコへのロングボールが通る。ペナルティエリア内の角度のない位
置から右足でシュートを放ったが、カンナヴァーロがディフェンスに入り、ボール
はトルドの1メートルほど右側に外れていった。
31分、レコバに初めてのチャンスボール。クロスはクレスポとコンセイソンに合
わなかった。37分にはこの試合最初のイエローカードが提示される。ミランのFWイ
ンザーギに対し、飛び出したトルドを守ろうとしたコルドバの足を蹴ったという主
審の判断だが、やや厳しい判定だった。
38分、今度は主審に抗議したガットゥーゾにイエロー。39分にはセードルフへの
ファールでディ・ビアッジョ(あと1枚で出場停止だった)も警告を受けた。主審は
試合をコントロールする狙いでルイ・コスタにもイエローカードを提示。サネッテ
ィへの後ろからのチャージだった。ここで主審は両キャプテン(サネッティとマル
ディーニ)を呼びフェアなプレーを呼びかけた。
44分にはミランのパスワーク。シェフチェンコ、ガットゥーゾと繋ぎ最後はル
イ・コスタが23メートルの位置から右足で狙ったがシュートは高すぎた。46分、ミ
ランが先制する。セードルフの縦パスを受けたシェフチェンコがゴール前7メートル
の位置でコルドバをかわし(こぼれ球を拾う形となった)、トルドが飛び出しだと
ころで右足のシュートをゴール左上に突き刺した。
インテルはレコバとディ・ビアッジョに替えてダルマとマルティンスを投入す
る。ミランは前半と同じ布陣で臨んだ。キックオフはミラン。4分にはマルティンス
が速いカウンターを見せたが、ボールのコントロールを失いミランにスローインを
与えてしまった。
9分にはサネッティが個人プレーを披露。誰にも止められることなく21メートルか
らシュートを放ったが、正面に飛びアッビアーティにセーブされた。12分にはイン
テルがゴールに向かって左側21メートルの距離でフリーキックを得たが、左足でシ
ュートを撃とうとしたマテラッツィは足を滑らせてしまいボールは大きく外れてい
った。16分にはミランのカウンター。ルイ・コスタからパスを受けたシェフチェン
コが右足でファーポストを狙ったがわずかに枠を捉えられなかった。
ガットゥーゾ、ネスタに挟まれながらシュートするマルティンス
18分にはセードルフがサネッティを倒す。あわやPKという場面だったがインテル
にはエリア右側わずか外からのフリーキックが与えられた。エムレの蹴ったボール
はアッビアーティに弾かれ、こぼれ球をコンセイソンが右足で狙ったが枠を外して
しまった。絶好のポジションからの決定的なチャンスを無駄にしコンセイソンは大
いに悔やんでいた。
19分、ミランはルイ・コスタを下げてアンブロジーニを投入。クーペルは26分に
クレスポに替えてカロンを投入するカードを切った。クレスポはこの交代に怒りを
露わにしていた。28分、エムレのコーナーキック。惜しいボールだったがアッビア
ーティがクロスバーの上に弾き出した。続いてのコーナーキックは低いボールがサ
ネッティに通ったが、シュートはうまくヒットせずカロンに当たってゴール裏に外
れていった。
35分にはミランがセルジーニョを投入。インザーギが拍手を浴びながらベンチに
下がった。36分にはミランがうまくボールを回しながら相手陣内に攻め込んでい
く。マテラッツィがシェフチェンコを倒してしまいミランにフリーキックが与えら
れた。だが、38分にはマルティンスの好プレーによりインテルに同点ゴールが生ま
れる。カロンの高く上げたボールに対しマルティンスが素早いダッシュでマルディ
ーニを振り切り、左足で飛び出したアッビアーティの横を抜くシュートを決めた。
40分にはプッシングを犯したカラーゼにイエローカードが出された。
42分にはインテルに決定的なチャンス。決まっていれば2-1で決勝進出という場面
だった。エムレからカロンへのボールがカラーゼに当たり、最後はフリーとなった
カロンがシュートを放ったがアッビアーティが奇跡的なセーブでコーナーキックに
逃れた。43分にはコンセイソンのファーポストへのクロスにコルドバがヘッドで合
わせたが、アッビアーティがコーナーに弾き出した。終盤はミランにとってピンチ
の連続だった。ロスタイムは2分。エムレのコーナーキックをアッビアーティが弾い
たところで主審がタイムアップの笛を吹き、1-1で試合終了。ミランが決勝進出を果
たし、インテルは準決勝で涙をのんだ。
http://www.sportspace.co.jp/article/soccer/20030513-014.htmlやりました!いよいよファイナル!